Yoshitaka Yamamoto
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集客改善・MEO

Geminiを活用したGoogleレビュー返信フローの構築

GeminiのGem機能を活用し、多言語レビュー返信業務を自動化。返信時間を約5分から20秒へ短縮し、レビュー増加後も継続可能な運用フローを構築した。

MEO観光
2026-04-01

5分→20秒

返信時間/件

0. 3行サマリー

  • サンキューカード施策により、Googleレビューが1日6〜10件ペースで増加
  • 多言語レビュー返信業務が現場負荷になっていたため、Geminiの「Gem」機能を活用した返信生成フローを構築
  • 1件あたり約5分かかっていた返信業務を約20秒まで短縮し、実運用可能な状態へ改善

1. 背景 / 課題

状況

インディクルーズ株式会社におけるMEO施策の一環で、Googleレビューを継続的に増やすため「サンキューカード」という施策を導入した。

その結果、Googleレビューは月2〜3件だったのが、1日6〜12件のペースで増えるようになった。さらにGoogleMap上の評価を高めるため、レビュー返信業務を開始した


課題

レビュー数増加により、返信業務が急速に重くなった。

特に課題だったのは多言語対応である。

従来フローは以下だった。

  1. レビューを日本語に翻訳
  2. 内容を読み取る
  3. 返信文を考える
  4. 元の言語に翻訳
  5. Googleマップへ投稿

週50〜70件程度のレビューが付くようになると、この運用は現実的ではなくなった。

また、返信品質も担当者によってブレがあった。


なぜ重要だったか

Googleレビュー返信は単なる礼儀ではなく、

  • MEO評価
  • 店舗の信頼感
  • 外国人観光客への印象
  • 「返信される店」というブランド形成

に直結する重要業務だった。

一方で、現場スタッフの工数を増やしすぎると継続運用できないという問題もあった。


2. 仮説

「レビュー返信」は毎回ゼロから文章を考える必要はなく、

  • 店舗情報
  • 接客方針
  • トーン
  • 返信ルール

をAIに事前学習させれば半自動化できるのではないかと考えた。

また、返信品質をテンプレ化することで、

  • 品質の均一化
  • 作業時間削減
  • 多言語対応

を同時に実現できると考えた。


3. 実施内容

3-1. 施策全体像

Googleの生成AIサービス「Gemini」の中にある「Gem」機能を利用し、レビュー返信専用AIを構築した。

Gemとは、 特定の役割や知識を事前設定できるカスタムAI機能である。

通常のチャットAIと違い、

  • 店舗情報
  • 返信方針
  • 接客トーン
  • 禁止事項

などを事前に学習させた状態で利用できる。

今回は、

  • 道頓堀クルーズの特徴
  • Googleレビュー返信方針
  • 入力された言語を用いて返信すること

をGemに設定した。

その結果、担当者はレビュー本文を貼り付けるだけで、レビュー内容と言語を自動判定し、自然な返信文を生成できるようになった。


3-2. 各施策詳細

施策① Gemini Gemによるレビュー返信生成

やったこと

GeminiのGem機能を利用し、 レビュー返信専用AIを作成した。

レビュー本文を入力すると、

  • 内容理解
  • 言語判定
  • 感情分析
  • 返信文生成

を自動で実行するよう設計した。


工夫

単なる翻訳ツールではなく、

「道頓堀クルーズのスタッフとして返信する」

ことを重視した。

そのため、

  • フレンドリーさ
  • 観光体験らしさ
  • 再訪歓迎
  • 温かさ

が出るようにGemの指示文を調整した。

また、 「長すぎない自然な返信」 になるようチューニングを行った。


使用ツール
  • Gemini(Gem機能)

苦労した点

初期状態では、

  • 実際には提供していないサービスについて返信してしまう
  • 店舗情報をAIが補完してしまう
  • 不自然に長い返信を生成する

といった問題が発生した。

特にGoogleレビュー返信では、 事実と異なる内容を書いてしまうと店舗信頼性に直結するため、 ハルシネーション対策が重要だった。

また、実運用では「短く自然に返す」ことが重要であり、 長文返信は現場オペレーションやブランドトーンとも相性が悪かった。


解決方法

Gemに対して、

  • 与えていない情報は使わない
  • 推測で補完しない
  • 不明な内容には触れない

というルールを明示的に指示した。

また、返信文についても、

  • 最大2行以内
  • 簡潔に
  • 自然な会話調

という制約を設けた。

これにより、

  • ハルシネーション抑制
  • 返信品質の安定化
  • 現場運用しやすい文章量

を実現できた。

4. 成果

定量成果

  • レビュー返信処理時間: 1件約5分 → 約20秒

  • 作業削減率: 約93%削減

  • 週次削減工数: 約4〜5時間削減


定性成果

  • 多言語レビュー返信が継続運用可能になった
  • 担当者負荷を大幅軽減
  • 返信品質が均一化
  • 「レビュー返信が止まらない店舗」状態を維持

Before / After

項目BeforeAfter
返信作成手動Gem生成
翻訳人力自動
返信時間約5分約20秒
品質担当者依存均一化
継続性厳しい運用可能

5. この施策の本質

この施策の本質は、

「レビュー返信を属人的な作業から、再現可能な運用フローへ変えた」

ことにある。

レビュー数が増えるほど、 通常は現場負荷が増える。

しかし今回は、

レビュー増加 → Gemによる自動化 → 工数削減 → 継続可能

という構造へ転換した。

単なるAI活用ではなく、 “現場で回る運用設計” まで落とし込んだことが重要だった。


6. 学び

学んだこと

  • AI導入ではなく、「現場がコピペだけで回る状態」を作ることが重要
  • AIによって、観光業における多言語対応コストが下がっている